FX必勝法の有料商材をみたら大方詐欺だと疑ってかかるべし
「FXに勝率100%の必勝法はない。」
これが当ブログの一貫した主張だ。
もしそんな必勝法があるなら人に押しえる必要はないし、そんな必勝法が世に出回ったりしたらFXの市場は完全に死滅してしまう。
だが実際に勝率100%を謳うFXの必勝法は世にはびこっている。もしあなたがそんなFX必勝法を目にしたら十中八九FXの詐欺商材だと疑ってもよいだろう。
これから紹介するFX詐欺の一例は実際に知人が騙された手口の一つだ。
私もこの話を聞くまでは「FX詐欺なんて」と侮っていたが、もしかすると自分も詐欺に引っ掛かるかもしれないと思うとゾッとする
「自分は詐欺なんかに騙されない」と思っている人も一度は読んでみて欲しい。
必勝法はメルマガの指示通りに売り買いするだけという虚構
FX必勝法の詐欺商材にいかにもありがちなのがメルマガ詐欺だ。
必勝法というのはメルマガで配信される予想に従って買い続ける。ただそれだけ。
実際にはそれで勝ち続けることはできない。
ただコロっと騙されてしまう人が存在するのはなぜだろう。
メルマガはFXに限らず様々な詐欺に利用されているが、仕掛けはカンタンだ。
まず登録無料でFXの予想を伝えるというキャンペーンを貼る。
最初は半信半疑でも無料ならと興味本位で登録してくる人もいるだろう。
登録するとこれが驚き、なんと来る日も来る日も予想は的中。
投資の世界にもギャンブルの予想屋と同じように相場師と呼ばれる人たちがいる。
実際に優秀な相場師であれば高確率で予想を当ててくることはある。
それだけ予想が当たれば完全に信じ込まざるを得ないはず。
すると、また一通のメールが届く「無料期間が終了しました。有料登録される方はこちら」
メルマガを受け取るには高額の料金を請求されるようになる。
メルマガに登録した当初のメンタルであれば決して騙されることはないだろう。
しかしもうこの時点でこれだけ予想が当たっていると詐欺だとは気づかず流されてしまいやすい。
実際にこの予想に従って取引して儲けでもしていれば、なおさら詐欺には気づかない。
高額な料金を支払うようになったとたんに予想は当たらなくなっていく。
そこでようやく詐欺商材だったことに気づくというわけだ。
詐欺のからくり
メルマガのFX必勝法の詐欺のからくりは一体どのような全容になっているのか。
実はこのメルマガ予想など一切していない。
ではなぜ無料期間だけ予想を的中させることができたのか。
そのからくりはこうだ。まず無料でできるだけ多くの登録者を集める。
例えば1000人からメールアドレスをかき集めたとする。
一方の500人に対しては買い注文を、もう一方の500人に対しては売り注文を指示する。
翌日は先ほどの500人のグループをまた買いと売りに分ける、また翌日は同じ要領で250人を買いと売りに分ける。
するとどうだろう。
ある特定の人たちはあたかも毎日送られてくる予想が的中しているような錯覚に陥ってしまう。
これがFX必勝法詐欺の手口というわけだ。
FXの必勝法は自力でつかみ取るもの
ここまでの内容を読んであなたはどのように思われただろうか。
詐欺にだけは絶対に騙されないと腹を括っていても、詐欺集団はあの手この手で必勝法を信じこませにやってくる。
全く論拠のない必勝法の書かれたPDFを送り付け数万円を請求するというパターンもあるが、意外とこういったチープな詐欺に騙される人が多い。
知りたい、気になるという欲求に加えて「〇万円くらいなら仕方ないか」というある種手が出やすい金額設定も購買意欲に拍車をかける。
詐欺師たちはいつでも「儲けたい」という金欲につけこんでくるのだ。
結果、買った後で騙されていたと気づいても泣き寝入りしてしまうケースがほとんどだとか…。
詐欺被害者からすると「騙されてしまった」という羞恥心のようなものもあるのであろう。
詐欺に騙されないためにはどんな上手い話を聞かされても、決して揺らぐことのない屈強なメンタルが必要といえるだろう。
何度でもいう。FXに勝率100%の必勝法などない。どんな手法も自分で研究し実践してこそ意味があるのだ。
もし騙されてしまった時は
もし「絶対に勝てるFXの必勝法を教える」といった類の情報商材に騙されたら・・・。
そんな時は迷わず消費者センターに相談しよう。
これらの詐欺商材はある種巧妙なところがあり立証が難しいともされている。が、上手くいけば返金対応も期待できるかもしれない。
身近に弁護士をやっている知人などがいれば相談してみるのもよいと思う。
ただ原理原則は甘い話には乗らずしっかりとあくまで自分が理解した上で必勝法を実践すること。これが鉄則といえるであろう。
では今回は精神科医であり評論家でもある名越康文(なこし・やすふみ)の格言で締めたいと思う。
たとえ欲のスケールが小さくても、対象への執着が深いと、そこが弱みとなってつけこまれる恐れがあります。執着心は自分が依って立つ基盤が小さい人、あるいは単線になっている人ほど強くなりがちです。騙されないようにするためには、これを失ったら後がないという状況に自分を追い込まないことが大切です。
-名越康文-